※この記事は、借金約550万円を経験し、個人再生をした私が、約10年経った今の生活を振り返った体験談です。
また、「任意整理を知らずに後悔した私の体験」シリーズの最終話でもあります。
個人再生をしたら、その後の生活はどうなるのか。
クレジットカードは持てるのか。
普通に暮らせるようになるのか。
私も手続きをする前は、その先の生活がまったく想像できませんでした。
当時の私は44歳。
どうにか返済しようと必死になり、借金は約550万円まで増えていました。
そして今、私は54歳になりました。
この約10年間、何もかも順調だったわけではありません。
大きな買い物ができず、中古品を探したこともあります。
子どもの高校と中学の入学が重なり、再びリボ払いを使ったこともあります。
これからの教育費にも不安があります。
それでも、10年前の自分から見れば、今の私は驚くほど「普通の生活」をしています。
この記事では、個人再生から約10年経った私の生活が実際にどうなったのかを、できるだけそのまま書きます。
借金550万円の頃は、毎日「どうやって返すか」を考えていた
借金が約550万円まで増えていた頃、頭の中にあったのはいつもお金のことでした。
「今日はこのカードを払わないと」
「給料日まであと何日だろう」
「次のお金をどこから用意しよう」
返済するために借りて、また次の返済がやってくる。
そんなことを繰り返していました。
キャッシングが使えなくなった頃には、クレジットカードの現金化まで利用しました。
それすらできなくなったときは、
「もう終わりだ」
と思いました。
それでも当時の私は、どうにか自分で返そうとしていました。
今振り返れば、もう自分の力だけで返していける状態ではなかったのだと思います。
個人再生後、一番変わったのは「頭の中」だった
個人再生をしたからといって、急に生活に余裕ができたわけではありません。
食費も買い物も節約しながら生活していました。
それでも、一番大きく変わったことがあります。
返済のことばかり考えなくてよくなったことです。
以前は、どうやってお金を作るか、次の返済をどうするかをずっと考えていました。
個人再生後は、決められた支払いを忘れないようにする。
それだけになりました。
「次はどこから借りよう」
と考えなくてよくなったことは、私にとってとても大きな変化でした。
約550万円の借金は約100万円になった
私の場合、個人再生によって約550万円あった借金は約100万円になりました。
返済額は月にすると約36,000円。
実際には3か月ごとにまとめて、8社の債権者へ自分で振り込んでいました。
返済期間は長く感じました。
でも、最後の返済を終えた日のことは意外なほど覚えていません。
「やっと全部終わった!」
という劇的な感じでもありませんでした。
夫と特別に何かを話した記憶もありません。
意外と普通でした。
ただ、その普通の日々の積み重ねが、今の生活につながっているのだと思います。

クレジットカードがない生活。大きな買い物は中古品を探した
個人再生後に困ったことの一つが、大きな買い物でした。
分割払いができなかったため、家電などが必要になったときは中古品を探すようになりました。
車も、譲ってもらった古い車を使ってきました。
クレジットカードがないことを、恥ずかしいと思う気持ちもありました。
私は個人再生したことを周囲には話していません。
デビットカードも使いましたが、私の場合、携帯料金をデビットカードで支払うことができず、銀行口座からの引き落としにしました。
不便なことはありましたが、それでも生活はできました。
なお、ローンが残っていた車は個人再生の際に引き上げられています。
地方で生活している私にとって、車がなくなることは大きな問題でした。

約7年後、もう一度クレジットカードを持てた
個人再生から時間が経ち、私は再びクレジットカードを申し込みました。
それまでには、PayPayカード、dカード、三井住友カードなどの審査に通らなかったこともあります。
審査に通らなかった理由は分かりません。
その後、別のカードに申し込んだところ審査に通りました。
そのときに思ったのは、
「普通の生活に近づけたのかな」
ということでした。
最近では、もう1枚クレジットカードを作ることもできました。
現在は基本的に1回払いで、キャッシングはしていません。
買い物で貯まったポイントは、少額ですが投資にも回しています。

それでも約10年後、私はまたリボ払いを使った
ここは、きれいな話だけにはしたくないので正直に書きます。
子どもの高校と中学の入学が重なり、一度にいろいろなお金が必要になりました。
足りない分について、私は再びリボ払いを使いました。
正直、怖いです。
昔のようになるとは思っていません。
それでも、不安はあります。
子どもにかかるお金については、私はどうしても使ってしまうところがあります。
児童手当などが入ったときには、できるだけ多く返したいと考えています。
個人再生を経験したからといって、お金の管理が完璧になったわけではありません。
ただ、昔と同じではありません。
高額なものはすぐに買わず、安く買えるところを探す。
カードは基本的に1回払い。
キャッシングはしない。
少額でも貯金をする。
私なりに、10年前の経験を忘れないようにしています。
個人再生後、扶養内では生活できなかった
個人再生を考えた頃、私は仕事を始めました。
7月15日から、1日7時間働きました。
翌年4月からは夫の扶養内に入り、年収130万円以内で働きました。
でも、それでは家計が足りませんでした。
その年の10月には扶養を外れました。
本当は扶養内で働きたかったです。
でも、自分もしっかり働いて収入を得なければ、家計を維持できませんでした。
個人再生をすれば、すべてが楽になるわけではありません。
借金を整理したあとには、その収入の中で生活を作り直していく必要がありました。
約10年経って「個人再生していてよかった」と思ったのは、転職したときだった
個人再生から何年も経ったあと、私は職場の人間関係で苦しみ、その会社を辞めて転職しました。
転職後は時給が下がりました。
そのとき、
もし550万円の借金を抱えたままだったら、辞められなかったかもしれない
と思いました。
毎月多額の返済をしなければならなかったら、収入が下がる転職を選ぶことは難しかったと思います。
嫌なことがあっても、
「お金が必要だから」
と我慢して働き続けていたかもしれません。
個人再生をしてよかったと思うことは、借金が減ったことだけではありませんでした。
何年も経ったあと、
「ここから離れる」という選択ができたこと。
これも、生活を立て直したことで得られたものの一つだったと思います。
借金は、家族との生活にも影響していた
借金が大変だった頃、私はお金のことでよくイライラしていました。
そのイライラから、夫婦喧嘩になることもたくさんありました。
今は、お金が原因で夫婦喧嘩をすることはありません。
子どもたちは、私に約550万円の借金があったことも、個人再生をしたことも知りません。
母にも、今まで話していません。
個人再生を考えていた当時、私がとても怖かったことの一つが、母に知られることでした。
母は今も元気です。
私は今、
心配をかけなくてよかった
と思っています。

約10年経っても、罪悪感は残っている
普通に暮らせるようになった今でも、個人再生をしたことへの罪悪感が完全になくなったわけではありません。
「迷惑をかけた」
「申し訳なかった」
そんな気持ちは、今もどこかに残っています。
でも、罪悪感を抱えていても、その後の人生を生きていくことはできました。
家族と生活して、仕事をして、子どものこれからを考えています。
過去をなかったことにはできません。
でも、過去だけを見て生きているわけでもありません。
今は子どもの「やりたい」を以前より応援できる
今、子どもの一人は卓球クラブに通っています。
これが結構お金がかかります。
流行りのシールを見て、
「買ってほしい」
と言われることもあります。
もちろん、何でも好きなだけ買えるわけではありません。
これからの進学費用を用意できるのかという不安もあります。
それでも、
子どもがやりたいことを、できるだけさせてあげたい。
そう思える生活にはなりました。
借金550万円の頃は、毎日の返済をどうするかで頭がいっぱいでした。
今は、子どものこれからにお金をどう使うかを考えています。
同じ「お金のことを考える」でも、私にとってはまったく違います。
約10年後の今。お金の不安はあるけれど、普通に暮らしている
個人再生をする前、私はその後の人生がどうなるのか不安でした。
約10年経った今も、お金の心配がゼロになったわけではありません。
家電が壊れれば、
「どうしよう」
と考えます。
子どもの進学費用も心配です。
それでも今は、
スーパーで食材を買う。
公共料金を払う。
子どもと出かける。
時々、外食する。
ペットと一緒に暮らす。
夜、普通に眠る。
少額でも貯金する。
そんな生活をしています。
以前のように、お金のことで眠れないことはありません。
電話が鳴っても怖くありません。
「次はどこから借りよう」
と考えることもありません。
私にとって、これが「普通に暮らせている」ということなのだと思います。
個人再生で一番取り戻したものは「将来への希望」
個人再生をして、何を取り戻したのか。
約10年経った今、一つだけ選ぶなら、
将来への希望
だと思います。
借金550万円だった頃の私は、次の支払いを見るだけで精いっぱいでした。
今も決して余裕のある生活ではありません。
それでも、子どもの将来を考えたり、少額でも貯金したり、仕事を変えたりすることができます。
「この先」を考えられるようになりました。
それが、あの頃との一番大きな違いです。
44歳の私に言えるなら「無理なものは無理だよ」
もし、借金550万円を抱えていた44歳の私が今、目の前にいたら。
私は、
「無理なものは無理だよ」
と言いたいです。
当時の私は、どうにか返そうと必死でした。
返済することも。
家族に知られないことも。
自分だけでなんとかすることも。
全部、自分で抱えていました。
だから「もっと頑張れ」とは言いません。
もう十分、頑張っていたからです。
そして、もう一つ。
「本当に大丈夫だよ」
と言いたいです。
何もかも順調だったわけではありません。
中古品を買い、古い車に乗り、扶養を外れて働きました。
カードの審査に落ちたこともあります。
子どもの入学費用で、またお金に悩みました。
それでも約10年後、私は普通に暮らしています。
個人再生から約10年。今、幸せですか?
この記事を書くために、自分自身に問いかけました。
「個人再生から約10年経った今、私は幸せなのか」
答えは、
はい。
です。
お金持ちになったわけではありません。
これからのお金の不安もあります。
失敗することもあります。
罪悪感も残っています。
それでも、借金550万円を抱え、毎日返済のことばかり考えていた44歳の私とは違います。
もし、あの頃の私が今の生活を見ることができたら。
たぶん一言、
「よかった」
と言うと思います。
今、債務整理後の生活が不安な方へ
私は、自分が個人再生を経験したからといって、誰にでも個人再生をすすめたいわけではありません。
借金の金額や収入、財産、家族の状況などによって事情は違うからです。
私自身も、最初からすべてを理解して個人再生を選べたわけではありませんでした。
相談することさえ怖かったです。
「相談したら自己破産になるのでは」
「費用はいくらかかるんだろう」
そんな不安があり、なかなか動けませんでした。
でも私の場合は、一人で考え続けるのをやめ、自分の状況を専門家に話したことが生活を立て直すきっかけになりました。
そのとき実際に何を言われ、どう感じたのかはこちらの記事に書いています。

「相談してみようかな」と思った方へ
約10年前の私は、相談すること自体が怖くて、なかなか一歩を踏み出せませんでした。
費用のこと。
家族に知られないかということ。
相談したら、すぐに自己破産をすすめられるのではないかということ。
いろいろな不安がありました。
だから今の私が相談先を見るときは、「債務整理を扱っているか」だけではなく、相談のしやすさや、手続き中のフォローまで確認したいと思っています。
このブログでは、そうした私自身の経験をもとに、アヴァンス法務事務所について調べた内容もまとめています。
※アヴァンス法務事務所は、私が実際に個人再生を依頼した事務所ではありません。
「なぜ、実際に依頼した事務所ではないのに紹介しているのか」も含めて、こちらの記事にまとめています。

相談先の一つとして気になる方は、内容や費用、現在の相談条件などを確認したうえで、ご自身に合うか判断してください。

ここまで読んでくださった方へ
この記事は、借金約550万円を抱えた私が、相談し、個人再生をして、その後約10年間をどう暮らしてきたのかを書いたシリーズの最終話です。
最初の頃の私は、任意整理という方法をほとんど知りませんでした。
「まだ返せているから大丈夫」
「自分で何とかしなければ」
そう思い続けていました。
なぜ550万円になるまで相談できなかったのか。
そこから読みたい方は、第1話から読んでいただけます。

個人再生の実体験をテーマ別に読みたい方へ
個人再生の費用、車、返済、クレジットカード、家族に知られる不安など、私が実際に経験したことをまとめています。

約10年前。
借金550万円を抱えていた私は、その先の生活が見えませんでした。
あの頃の私が本当に知りたかったのは、難しい制度の説明だけではなかったのだと思います。
「その後も普通に暮らせるのか」
それを知りたかった。
私一人の体験なので、すべての人が同じ経過をたどるわけではありません。
それでも、一つの実例として伝えられることがあります。
約10年後の私は、
今も普通に暮らしています。
そして、将来に希望を持てています。
※この記事は、私自身の個人再生後の体験をまとめたものです。
個人再生の可否や返済額、手続き後の影響などは、借金額・収入・財産・債権者など個々の状況によって異なります。具体的な判断については、弁護士・司法書士などの専門家へご相談ください。

